個人事業主になるにあたって、それなりに開発機材は揃えなきゃなーと一念発起し、オシロスコープを購入しました。(実際に購入したのは2022年の8月です)
組込みソフト開発者が持つべき機材
なんか偉そうな見出しですが、ご容赦を。
私の仕事は組込みソフト開発をメインにしていますが、これまでの経験上、うまく動かない時ってデバッガ画面だけ見ていても分かりません。まずはマイコンの外で何が起きているかを波形レベルで確認する必要性を痛感していますので、最低限ロジアナは持つべきというのが持論です。
で、ロジアナを使いたい場面というのは、ほとんどの場合、通信系の確認です。
例えば、マイコン外付けデバイスとの通信において、受信データが意図しない値だった場合(まったく受信しない場合も含む)、デバイスからの送信がそもそもおかしいか、ソフトがバグっているか、のどちらかが大半です。
前者の場合は波形を確認すれば、すぐにわかる話なのでロジアナで信号を観測してデコードすることで、問題の切り分けを手早く済ませることができるわけです。
なお、ここでハード的な問題(信号レベルがあっていない、なまっている、等)が関係していると、ロジアナだけでは手詰まりで、オシロの出番ということになります。
ロジアナが本領発揮するケース
オシロではなくロジアナがほしいケースは、マイコンの外部バスアクセスを確認したい時になります。
ただ、最近のマイコンの内蔵ROM(フラッシュ)やRAMの容量はちょっとしたプログラムには十分なほどになり、外部バスを利用するような基板は少なくなりました。
また、マイコンクロックの高速化もあり、外部バスを実際に観測するためにはかなりハイスペックのロジアナが必要な気がします。(とても個人が手を出せるレベルではありません)
では、何を選ぶのか?
ロジアナにしろオシロにしろ、画面や操作をPCで行うタイプと本体で完結するデスクトップタイプにわかれます。どちらを選ぶかは好みの問題もありますが、私の使い方の場合は、
- 画面表示スペースはデバッガ優先(購入時はマルチディスプレイではなかった)
- ソフトがハングアップしてデバッガも道連れは避けたい(Windowsあるあるですね)
- プローブをつなぎ間違えた場合、最悪、PCも壊れるリスクは避けたい(PCが壊れると仕事ができない)
ということからデスクトップタイプ優先で考えていました。
辛石が選んだものは
実際に探してみるとデスクトップタイプのロジアナは、選択肢が少ないのでシリアルデコード機能を搭載したオシロに軌道修正したうえで、amazonで候補機種を物色し、購入したのがコレになります。
SIGLENT製SDS 1104X-Eです。(ただし、今回はamazonではなく、日本語マニュアルが付いてきて保証もしっかりしている国内の正規代理店からの購入ですが)
(個人レベルで手が出せる)デスクトップタイプのオシロでは、RIGOL、OWONあたりが主流みたいですが、欲しい機能と価格のバランスでSIGLENTに決めました。
※この機種、テレダインレクロイ製T3DSO1104と中身が同じらしいです。
基本性能は以下のようになっており、組込みマイコンソフト開発時のデバッグ用途としては必要十分です。
- 4Chで100MHz帯域、1Gサンプリング(4Ch時は500M)
- シリアルデコードはUART、I2C、SPI、CAN、LINの5種類(CANは使うことがあるので個人的には〇)
- 波形のスクリーンショット等をUSBメモリに直接保存(コレ、意外と重宝します)
なお、本体の日本語表示はちょっと残念な感じなので、英語表示にして使っています。
バッグはどうしよう?
普段は仕事場兼自宅から外に持ち出すことはありませんが、(客先の)現場に持っていくことを考えてバッグを調達することにしました。
意外に高いオシロ用バッグ
メーカー純正品は1万円超と高価なので、最初から候補外に。(たまにしか使わないものにそこまで投資する気にはなりません)
何か流用できないかと検索すると『カメラバッグ流用』という方々がチラホラと。
購入したオシロのサイズはマニュアルによると、
横312mm × 奥行132mm × 高さ151mm
なので、サンワサプライさんの200-DGBG010(Lサイズ)あたりがサイズ的に流用できそうですが、それでも約3千円といいお値段です。
バッグに何を求めるか?
他のものを流用するにあたり、コスト以外でオシロ用バッグに求めるものをあらためて整理してみます。
- 箱型で完全にフタが閉められる
- 適度な防水性(多少の雨に降られても中身は濡れない)
- 適度なクッション性
といったあたりでしょうか。
庶民の味方、ダイソーさん
近所のダイソーさんに別のものを買いに行った際に見つけたコレ
サイズ的には問題なし(というか、かなり大きめ)で、先ほどの条件をチェックすると、
- 箱型で完全にフタが閉められる → クリア
- 適度な防水性 → 内側(裏地)はポリエステル100%+ポリエチレン・コーティングということで、それなりにあると判断(元々、ピクニック用ですし)
- 適度なクッション性 → 最悪クッション材を後から追加すればいいので、バッグそのものには必須とまではしない、と優先度を下げました
と及第点。何より400円(税別)という魅力的なお値段には勝てませんでした。
(ネットストアではまだラインアップされていますので、購入チャンスありです)
こんな感じに入ります
本体と電源コードを入れると、前後方向の余裕はほぼありません。
上の空間にプローブ4本を入れても、まだまだ余裕。
激しくシェイクするような状況では、中で暴れると思いますが、そのような事態になることは想像しにくいので個人的には十分です。(あらためて写真で見るとサイドがスカスカなのがちょっと気になりますね)
ただ、底板がなく持ち上げた時にオシロの足の形がうっすらとわかるぐらいになるので、セリアさんでフリーカットのバッグ用底板を購入して追加しています。